羊好きソムリエが語る羊肉とワイン、今回はイタリアのピエモンテ州のワインと羊肉料理について紹介します。
高級ワインとジビエが有名なピエモンテ
イタリア北西部のアルプス山脈に位置し、有名なバローロ、バルバレスコを筆頭にイタリア随一の高級ワインの産地として知られるピエモンテ。アルプスの険しい山々の麓に広がり、ワインだけでなくジビエとなる野獣や野鳥が豊富に得られる産地ということでも知られています。
ピエモンテのワインの特徴
多くのイタリアワインは、酸味が強くタンニンの少ない軽めの味わいであるのに対し、ピエモンテではバローロに代表されるように長期熟成に耐える、色が濃く、しっかりした渋みと、深いコクのあるワインが作られています。
ピエモンテの羊肉料理
ピエモンテはジビエが有名ですが、その中でも伝統料理として“仔羊のワラ包み焼き”が挙げられます。その名の通り羊肉をワラで包み焼き上げた料理です。
ピエモンテはアルプスの麓にあり、冷たいアルプスと穏やかな地中海の気候がぶつかり、昼夜の温度差が高く夜は非常に冷え込みます。そのため、農民たちが野良仕事に行く前に羊肉をワラに包んで暖炉の中に入れておき、夕方帰ってきた時に温かいものが食べることが出来たのです。
ワラの芳醇な香りと、羊肉の力強さを感じるこの料理には、同じく深いコクと香りのあるピエモンテ産のワインがよく合います。普段羊肉は、岩塩や山わさび、料理によっては赤ワインソースなどをかけますが、この料理にはソースは不要。羊肉本来の味わいがダイレクトに楽しめます。
羊肉本来の力強さを、ピエモンテが誇る力強いワインと一緒に自然な味わいのまま合わせてみるのもいいのではないでしょうか。