寒い時期にはもちろん暖かい服装が欠かせませんが、羊毛を原料とするウール製品は特に保温性に優れています。ただ、「ウール製品は繊細で洗い方や保管方法など扱い方が難しい」というイメージをもっている方もいると思います。
実際のところウール製品はどう手入れすればいいのか、日頃からウール製品を扱うクリーニング店の店長、新井さんに聞いてみました。
ウールの取り扱い上の注意点
――ウールを手入れする上で気をつけなければいけないことは何でしょうか?
ウールは水が基本的にはNGです。水洗いすると縮んでしまいます。また、虫に食われやすいということにも注意が必要です。
――それは防虫剤を入れて保管しないといけないということでしょうか?
そうですね、ただ防虫剤を入れていても虫に食われたりすることもあります。除湿も常にしておく必要があります。
ウールの洗い方
――洗う際に水がNGとなると、どのように洗うのが良いのでしょうか?
通常のクリーニング店では、ドライクリーニングといって水ではなく石油系の溶剤を使って洗うことが多いです。
しかし、当店では実は水を使って洗っているんです。
――水洗いもできるんですか?
水洗いすると油が抜けて、それで縮んでしまうという難点があるのですが、当店では油を足すという方法で対応しているんです。また、色落ちや変色を防ぐための溶剤も使っています。
――なるほど、さまざまな工夫をしているのですね。
その他、注意点として洗うときの水の温度は40度〜60度を保ち、毛が傷まないようにしています。
ウール製品を洗う頻度
――大体ウール製品はどのぐらいのペースで洗うと良いのでしょうか?
そうですね、毎回洗うというのは大変なので、そういう方は少ないと思います。目安として2〜3回使って洗うというのが良いと思います。
あまり洗わないで使い続けると清潔面の他に、型崩れしてしまうということもあります。なので、定期的に洗ってアイロンをかけることも大切になってきます。
ウールの保管方法
――保管についてはどのようにすると良いのでしょう?
ウール製品はやはり防虫と除湿に気をつけて保管することが大切ですね。その意味では、できれば2階で保管するのも大切です。
――2階ですか?それはどうしてでしょうか?
1階だと地上に近い分湿度が多くなりやすいのです。そのため、ウール製品を保管するのであれば2階の方が適しているのです。
――そうなのですね。そうすると夏場などのオフシーズンにはクリーニング店に預ける方も多いのでしょうか?
長期間クリーニング店に衣類を預ける方も中にはいますが、有料サービスとなっているお店が多いので少ないのではないかと思います。
当店でウール製品を預かる場合は、常に除湿もそうですがオゾンの出る空気清浄機も使って虫食いや痛みなどがないようにしています。
――洗いでも保管でも様々な工夫をしているのですね。本日はお話しいただきありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
今回お話を伺ったクリーニング店
店名 | 新井クリーニング |
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代表 | 新井 達也 |
場所 | 栃木県足利市常見町2-13-1 |