そもそも羊ってどんな動物?羊の特徴や人間との歴史を知ろう!

「羊はもちろん知っているけど、実際に見たことはない」
「ヒツジとヤギは何が違うの?」

羊は誰もが知る動物でありながら、実のところどんな動物なのかよくわかってない、という方も多いのではないでしょうか?

そこで、ここでは羊の特徴や人間と関わってきた歴史などを紹介します。

羊はウシ科ヤギ亜科の動物

羊は動物の分類上、ウシ科ヤギ亜科に属します。つまり、ヤギ(山羊)とはかなり近縁の関係にある動物で、牛とも分類学上は比較的近い関係にあります。

羊肉は牛肉と同じくレアでも食べられますが、その説明としてこの分類学上の近さが引き合いに出されることもあります。

実のところ、羊は日本にもともと生息しておらず、海外から持ち込まれた動物となっています。

日本に昔からいた動物の中では、ニホンカモシカがウシ科ヤギ亜科に属するので、羊の近縁の動物となっています。

ニホンカモシカ

羊の特徴

羊というと白くモコモコとした毛に覆われた動物というイメージがあるかもしれません。

ただ、それは人間が羊毛を染色・加工しやすいよう品種改良した結果なので、もともと羊の毛が白かったわけではありません。

また、羊の品種は1000種以上存在するので、角の有無や毛質、毛の色なども実際には様々なバリエーションがあります。

羊の性格は一般的に温厚で臆病で、群れとなって行動することを好みます。一頭の羊が移動すると他の羊もついていくので、牧羊犬による誘導もしやすいといえます。

牧羊犬が羊を追う

羊とヤギ(山羊)の違いは?

同じヤギ亜科に属する羊とヤギは、確かに似ている部分も多く混同されがちですが、それぞれ別の種としてのはっきりとした特徴があります。

まず、生育環境についてですが、羊は毛量が多いため、冷涼な気候が向いています。そのため日本国内では北海道や東北、高原地域で飼育されることが多くなっています。

一方、ヤギは温暖な気候でも適応しやすいので、沖縄や鹿児島で多く飼育されています。

羊とヤギの違い

また、羊は温厚で臆病な性格ですが、ヤギは独立心が強く活発に行動します。この性格の違いを利用して、羊の群れの中にヤギを混ぜて群れの行動をコントロールすることもあります(同様の理由でアルパカが用いられる場合もあります)。

他にも、羊は主に草を食べますが、ヤギは植物の根まで掘り起こして食べるといったことも違いの一つです。そのため、小笠原諸島などのように、飼育されていたヤギが野ヤギとなって植物の根を食い荒らし、環境破壊に繋がることがあります。

人間との関わり

12星座や干支にも羊が登場するように、羊は古くから人間と深い関わりをもってきました。羊が最初に家畜化されたのは西アジアで紀元前7千年頃とされています。

羊肉や羊毛のほか、脂肪、羊皮や羊乳に至るまで、様々な用途で羊は人間の生活を支えてきました。モンゴルの遊牧民が使用する家屋(ゲル)にも羊毛で作ったフェルトが使われていますが、まさに羊は人間の衣食住すべてに通じる動物といえます。

モンゴルの遊牧民と羊と山羊

日本での羊の歴史

前述のとおり、日本にはもともと羊は生息していませんでした。古くは推古天皇の時代に百済から羊2頭がラクダやロバとともに献上されていましたが、以後長い間、日本で羊が定着はすることはありませんでした。

本格的に羊が日本で飼育されるようになったのは明治以降のことです。最も羊の飼育が増えたのは戦後になってからで、1957年には全国で944,940頭もの羊が飼育されていました。

当時は羊毛生産を主な目的としてコリデール種が最も飼育されていました。

しかし、1961年の羊毛の輸入自由化や1962年の羊肉の輸入自由化の影響で打撃を受け、国内での羊の飼育は急減してしまいました。1976年には10,190頭まで減っています。

現在、日本で飼育されている羊は羊肉に適したサフォーク種が中心となっています。平成29年現在、17,821頭の羊が国内で飼育されています。

サフォーク種の羊

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