イギリス、スコットランドから羊に関してびっくりするようなニュースが飛び込んできました。なんと、羊の競売で1頭の羊が史上最高額の35万ギニー(日本円で約5,200万円)で落札されたのだそうです。
落札されたのはテクセル種で「ダブル・ダイヤモンド」という名前の羊です。テクセル種というのは、オランダのテクセル(テセル)島が原産の羊です。
競売は1万ギニーからスタートしましたが、競り合いでどんどん値段が上がり、最終的に35万ギニー(約5,200万円)で3軒の農家で共有する形での落札となりました。
この金額は2009年に最高額となった23万ポンド(約3,200万円)を大きく上回る金額です。
羊1頭が5,000万円超えになった理由
※Texel Sheep Societyより引用
どうして羊の競りでここまでの高値がついたのでしょうか?肉用種ということなので、それだけの金額を払っても高級な羊肉を食べたい人が現れるということなのでしょうか?
実は、落札した農家の期待は、ダブル・ダイヤモンドの子どもをつくることにありました。
羊の競りにおいて重視される大きなポイントの一つは血統(遺伝)にあります。発育や肉質、繁殖などの特性で遺伝的に恵まれているほど、羊の競りにおいて高額で取引されます。
テクセル種の羊は、通常でも1頭あたり百万円単位で取引されますが、今回落札されたダブル・ダイヤモンドは特に遺伝的に恵まれており、テクセル種の上位1%に入るのだそうです。
ということは、そのダブル・ダイヤモンドの子どもも血統的に恵まれた羊として高値で落札されることが期待できます。
そのため、落札した農家は、ダブル・ダイヤモンドを種羊として育て、多くの子どもを作ってもらって競りに出すことで、落札時の金額の元は十分に取れ、収益にもなると期待している、ということのようです。
のほほんとした羊のイメージからはまた違った、ディープな世界のお話でした。