全く別物のラム肉とラム酒、実は相性が良い?
ラム肉のことが知りたくて「ラム」と検索したらラム酒のことが並んで「そっちのラムじゃない」となったこと、ありませんか?
実際、ラム肉とラム酒は全くの別物です。ご存知の通り、ラム肉(lamb)は羊のお肉でラム酒(rum)はお酒です。英語での発音も異なります。
しかし、実はこの2つの異なる「ラム」がベストパートナーである可能性があるのです。
私が考えるラム肉とラム酒の相性の良い点は以下の2つです。
- 羊肉の臭みを打ち消すラム酒
- 羊料理とのマリアージュとしてのラム酒
このうち、今回は1つ目の点についてご紹介します。
苦手な人もいる羊肉の獣臭
前提としてラム肉についてですが、ラム肉は生後1年未満の羊肉のことを指します。まだ仔羊のため臭みやクセが少ないうえ、肉質が柔らかく羊肉初心者でも比較的食べやすいお肉です。
しかし、それでも全く羊特有の臭みがないわけではありません。実際にスーパーなどで販売している海外産のラム肉では臭いを感じることもあります。ラム肉の臭みの原因は、摂取した草などに含まれる葉緑素が変化したフィトールという化学物質によるもので、草食動物特有の臭いなのです。
もちろん羊肉を食べ慣れていて「それが良い」という人もいると思いますが、一方でその臭いを苦手に感じる人も少なくありません。
長野県はジンギスカンが非常に有名で地元のスーパーにはたくさんのラム肉が販売されていますが、どれもリンゴで臭みを消したり、タレで味付けをしているものがほとんどです。やはり、ラム肉独特の獣臭が気になる人も多いということなのでしょう。
消臭成分のあるサトウキビから作られたラム酒
ラム酒は、サトウキビの廃糖蜜または絞り汁を原料として作られる蒸留酒です。一般的に4大スピリッツの1つに数えられる有名なお酒です。ラム酒は原料がサトウキビなだけあって、香りも味わいも砂糖や蜜を思わせるほど芳醇な甘さが特徴です。
そんなラム酒ですが、実は原料であるサトウキビの抽出物には消臭成分があります。実際に販売されている消臭剤や、ルームフレグランスのなかにはサトウキビを原料として使用しているものもあります。
ラム酒でラム肉の臭いを打ち消す
それではラム肉を食べながらラム酒を飲むとどうでしょうか。ラム肉を食べた時の臭いが、後から流れてくるラム酒の甘い香りや成分によって打ち消されていきます。そのため臭いが気にならずにラム肉を楽しむことが出来るのです。
料理とお酒を組み合わせることによって、相乗効果でそれぞれが持つ良さをさらに高めることが出来ますが、このようにマイナスの部分を打ち消すことも出来るのです。昔、白ワインは食材が持つ毒を打ち消すための解毒剤として飲まれていたとも言われています。同じように、ラム酒が食材の持つ臭いを打ち消すためのお酒と考えても不思議はありません。