ヒツジは早くから人間と関わってきた動物なので、世界各国に伝わる故事やことわざなどにも、ヒツジにまつわるものは多くあります。
今回はそのうちの一つで中国から伝わって日本の四字熟語になっている「羊頭狗肉(ようとうくにく)」について紹介します。
羊頭狗肉の意味・由来
「羊頭狗肉」は、「羊頭を掲げて狗肉を売る」とも言います。
かつての中国で、ヒツジの頭を店先に掲げることで美味しい羊肉を売っているかのように見せかけて、実は質の低い狗肉(犬の肉)を売っていた、ということから来た言葉です(出典は宋代の『無門関』)。
転じて、「表面は立派に見えるが中身が伴っていないこと」を指すようになりました。
羊頭狗肉の用例・利用シーン
日常生活で羊頭狗肉が当てはまる場面は多々あります。実際にそのようなシーンをいくつか考えてみました。
- 外観や雰囲気のよさそうなレストランに行ったけど、入ってみたらサービスや料理がひどかった。
- 一見優秀そうな人なので採用したけど、実際仕事してもらったら全然できなかった。
- 国産と偽って外国産の食品を提供していた。
どれもネガティブなシーンになりますね。羊頭狗肉はするのもされるのも避けたいものです。
それにしても「見かけは立派」の例としてヒツジが使われるということは、羊肉はそれだけ当時の人々にとって「美味しいもの・立派なモノ」の象徴だったのでしょう。
羊肉は時代を超えて好まれる美味しい食材、ということですね!